BIM成熟度レベル
2011年5月に英国政府は、2016年までに全ての公共物件はBIMレベル2での作業を行うことを義務付けて、コストを最大20%削減することを目的とした建設戦略を発表しました。
その際に、BIMの成熟度を測る尺度として、「BIS BIM Strategy Report」の中でBIM成熟度モデルを発表しています。
https://www.cdbb.cam.ac.uk/system/files/documents/BISBIMstrategyReport.pdf
各レベルは以下のように定義されています(意訳もございますのでご了承ください)。
LEVEL 0 : 紙面のフォーマットでやり取りされる2D CAD図面。
LEVEL 1 : コラボレーションのために用いる2D or 3Dの図面を使用する。部分的に3Dモデルも使用する。
LEVEL 2 : 各専門分野のBIMモデルが管理され、互いに共有・参照すること
LEVEL 3 : IFC/IFDに準拠したWEBサービスにより、各専門分野が1つの統合モデルにアクセスして設計を進めます。
あくまでBIM成熟度レベルはUKの政府の基準ですが、公的なBIMの成熟度の指標がない国が多く、使いやすい指標として他の国のプロジェクトでも参照されることがあります。ちなみに、LODが細かく明文化されたBIM Forumの”Level of Development Specification”も国内にLODの細かい指標がないため、参照元として非常に重宝しています。
このような政府の号令もあり、NBS(RIBA王立英国建築家協会の外郭団体)の行った調査によると、英国ではBIMを採用している人の割合は、2011年には13%であったものの、2017年には62%にまで上昇しています。一方でBIMを採用していないかその必要性を感じていない人の割合は、2011年には43%であったものの2017年には3%まで減少しています。これらから、BIM化への移行が順調に進み、この6年間で設計手法が大きく変化していることが分かります。
参照