干渉チェック #2 ~ワークフロー~

BIMマネージャーは、全体のスケジュールの中で、SD,DDでそれぞれ何回ずつ干渉チェックを行うのかを設定し、作業者の技量とソフトウェアライセンス等を考慮し、ワークフローを決定する。

 

干渉チェックに時間を割きすぎてしまうとモデリングの進行が遅れてしまうが、問題発見が遅くなると変更コストが高くなる。その中で十分な干渉チェックの回数を確保しつつ、モデリングも十分に終わる、なるべく無駄の少ないスケジュールを計画する。

 

干渉チェックというと干渉箇所を発見するだけのようだが、

①干渉の発見

②干渉の共有

③干渉の修正

④干渉解決の確認

などのプロセスがあり、それらを1セットとして行う。

 

下記は実際に行ったワークフローを少し簡素化したものである。

 

<干渉チェックのワークフロー>

1.モデルの提出

干渉チェックに使用するモデルを提出する。プロジェクト開始時に干渉チェックの日程は決めておくのが通例。BIM360などのファイル共有ソフトがあれば、モデルの提出はスムーズに行える。

 

2.干渉チェック

BIMマネージャー又はBIMコーディネーターが干渉チェックを行い、干渉箇所についてまとめる。担当者や要素、解決方法ごとに干渉をグループ化したり、分かりやすいビジュアルにまとめたりして、干渉チェック報告書としてまとめる。

 

3.干渉の解決法の検討

BIMマネージャーが干渉チェックの結果を受け、誰がどのようにいつまでに解決するかを検討する。各干渉の重要度も設定し、無視しても良い干渉の設定も行う。必要に応じて、各分野のマネージャーにも意見を聞く。

 

4.干渉チェックの共有

定例にて、BIMマネージャーが干渉チェックの結果と問題点をチームに共有する。干渉チェック報告書や、干渉箇所がハイライトされた3Dなどを示しながら、分かりやすくビジュアル化して説明する。特に複数の分野に跨った干渉はどのように解決するかを議論し、誰がどのようにいつまでに解決するかを決定する。

 

5.干渉チェックの修正

各分野に割り当てられた干渉の修正を行う。

 

6.モデルの提出(1と同様)

修正されたモデルを提出する

 

7.干渉チェック(2と同様)

BIMマネージャー又はBIMコーディネーターが干渉チェックを行い、干渉が解決されているか確認する。

 

8.干渉チェックの共有(4と同様)

どこの干渉が解決されたかをチームに共有する。既存の干渉だけではなく、解決した干渉も共有する。