BIM360でのコミュニケーション ~概要~ (2021)

BIMでは1つのモデルを複数のオペレーターで作業するため、コミュニケーションが欠かせない。ここではどのようなツールでコミュケーションをとるかの説明を行いたい。

 

Revit2018までは、Communicatorという機能がRevitにあり、誰が現在セントラルモデルを開いているか、セントラルモデルに同期したかのタイムライン、個別とグループでのチャットが可能であった(下図参照)。

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AutodeskはCommunicatorとRevit Cloud Worksharingの機能はBIM360に移行するとしているが、現状デフォルトではCommunicatorのようなチャット形式でのコミュニケーション手段はない。

 

その代わりBIM360でのコミュケーションの主流になっているのが、マークアップと指摘事項である。

 

マークアップとは、図面に直接手書きをしたり、矢印・寸法を入れたりしてグラフィカルに説明・指摘をするものである(下図参照)。

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マークアップは、従来の図面を印刷して赤入れを入れるような感覚で行うことができ柔軟性のある有用なツールであるが、一方で通知の機能がなくこまめにBIM360を確認しないと気付かないという欠点もある。日常的なコミュケーションで利用する。

 

指摘事項とは、テキスト形式で指摘事項を「いつまでに」「誰が」「何をする」といった要素も含めてUPするものである。指摘事項は記録され、リスト化され、フィルタをかけることができる(下図参照)。

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指摘事項は対象者に通知をすることができ、記録もされるため、重要な要件や緊急な要件で利用することが多い。

 

実務の中で、これらのコミュケーションの機能を使用する際に、どのように使用するかをツールの特徴を理解して、詳細に決めていく。

 

マークアップでは、

①どのモデルに記入するか

②誰が記入するか

③どういう場合に記入するか

④対象者をどのように指定するか

⑤質問への回答や指摘の修正が完了した場合どう返答するか

などを決め、ルール化する。

 

指摘事項では、

①どのモデルに記入するか

②誰が記入するか

③どういう場合に記入するか

④タイトルの命名規則(フィルタでソートできるため重要)

⑤質問への回答や指摘の修正が完了した場合どう返答するか

などを決め、ルール化する。

 

これらのツールを上手く活用することでなるべくメールやチャットなしで、BIM360内でコミュニケーションが完結するようにするのが理想的である。

 

また、Revitの有料のPlug-inを利用すればRevitでもCommunicatorのようなチャットができる(下記参照)

R-Communicator for BIM 360 Docs – Powerful & Flexible Team Collaboration inside Autodesk® Revit®.

BIM Track | The communication platform for better BIM coordination