BIM360 API アップデートと今後の予定 / Autodesk University

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- Autodesk Construction Cloud 概要

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概要は上図の通り。

 

- BIM360 & API ステータスとアップデート

・Data Management APIAPIはForgeを用いられており、プロジェクトのドキュメントにアクセスができる。フォルダのアクセス権限(r/w)、カスタム属性値(r/w)が追加定義(2020/11)

 

・コスト管理

予算コードのテンプレート、

 

 

- Asset API

Assetとは、設計から引き渡しのアセット(資産:建築に用いる機材・建材など)の追跡管理をすることができるBIM360のモジュール。

APIを用いて、Excelと連携、Revitモデルからの抽出、ビューア上への表示ができる。Githubにサンプルが提供されている。

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- Relationships API

・異なる機能コンポーネント(ドメイン)に存在するアイテム間のリンクを表現。

・現在は読み取り専用。

Revitでのビューの表示 / 非表示について

Revit初学者が初めにつまずきやすい所の1つが表示 / 非表示の設定であり、テクニカルサポートでも何回も聞かれるところです(表示設定や線種変更は別途ページを書きます)。

Revitは表示の設定の仕方が多いこともあり、AutoCadRhinocerosのレイヤー形式に慣れている方は混乱しやすい所です。

私も最初にRevitを触ったときは、思ったように表示されずにイライラすることもありました。

ビューの表示/非表示方法をまとめてみました。大体は下記4つのやり方で表示設定をしているのではないでしょうか。

 

<ビューの表示/非表示の4つの方法>

A, ワークセットからのビューの表示設定(コラボレートする場合)

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ワークセットを閉じた状態又は全ビューに表示のチェックを外すと非表示にすることができます。

管理タブ>プロジェクト管理>リンク管理のウインドウのワークセットを管理で、リンクのワークセットも同様な表示設定をすることができます。

全てのビューから消え、個別にビュー調整をする必要がないため、ほとんど表示しない要素はここで非表示にします。

 

B, 表示タブ > 表示 / グラフィクスからビューの表示設定

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表示 / グラフィクス ウィンドウのチェックを調整することで、表示/非表示を設定できます。ほとんどのビュー設定はこれで行います。リンクの設定も表示/グラフィクスで個別に行います。

 

C, フィルタを用いたビューの表示設定

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表示タブ > フィルタをクリックし、ウィンドウを表示し、フィルタを設定します。同じファミリやマークに同じ文字を入力したものなどを抽出することができます。

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表示タブ > 表示 / グラフィクス > フィルタで先程設定したフィルタを追加し、表示を設定することができます。

例えば、外部階段は表示したいけど、内部階段を非表示にしたい場合、モデルカテゴリで分けることはできません。そういう場合にフィルタで個別に設定し、非表示等を行います。

 

D, ビューで非表示 > 要素での個別の表示設定

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ビュー上で要素を選択し、右クリックでウィンドウを出し、要素やカテゴリなどをクリックすると個別で非表示にすることができます。ただ、モデラ―以外の人がファイルを開いたときに要素がないと勘違いしやすいため、私はあまり用いないようにしております。

 

 

<各表示設定の使い方>

私がビューで表示/非表示を設定する場合は、A,B,C,Dを上から順番に設定していきます。大まかに下記のようなプロセスです。

 

1、過去スタディ案や不必要なリンク要素など現在のモデルでほとんど非表示にする要素はワークセットで非表示(A)にします。

2、各図面セットごと表示/グラフィクスからビューの設定(B)を行い、ビューテンプレートとして登録します。

3、表示/グラフィクスで選択することができないものをフィルタを用いたビューの表示設定(C)で非表示にします。

4、フィルタだと煩雑になってしまう場合やどうしても個別に消す必要があるものをビューで個別に非表示(D)にしていきます。

 

ビューで個別に表示設定をしてしまうと、後でデータを見た人が気付きづらいため、最後の手段としております。基本は表示 / グラフィクスで設定し、ほとんど表示しないものはワークセットというような形が作業量やメンテナンス性を考えると良いかと思います。

BIM設計コストを見積もる建物種別

いつかの英文の記事で、見つけて有用かと思ってメモしたものを貼っております。

参照元は忘れてしまいました(恐らく元記事が消えてる)が、BIMプロジェクトの作業量を見積もる目安となる指標です。

Type1が工場や駐車場などシンプルなプロジェクトで、Type3になると病院やデータセンターなど特殊な配線・配管が多く、干渉が多く納まりが難しいため、延床面積辺りの設計コストが高くなります。

 

<Design BIM project types which are an outline guide to estimate the workload of BIM services>


DESIGN BIM Project Type I
• Warehouse
• Barn
• Shed
• Storage building
• Parking Building
• Religious Building
• Shed

 

DESIGN BIM Project Type 2
Hotel (Apartment hotel)
• Residential tower
• Student or Institution Residence
• Senior Apartment
• School -Kindergarten-elementary school
• Typical Manufacturing Processing facility
• Office tower
• Resort building
• Laboratory
• Automated parking
• Metro Station
• Stadium, Arena
• Museum (Local grade)
• Convention hall

 

DESIGN BIM Project Type 3
• Hospital
• Medical Facility
• Data center
• Special Manufacturing Building with special machine & equipment
• Renovation Project (requiring Existing condition modeling)
• Airport terminal
• Museum (National grade)

 

*Type1 is a simpler type of project
*Type3 is the most complicated type of project means that would require more resources.

Forge ロードマップの要点

<単語の意味>

Forge : Autodeskが提供するクラウドベースの開発者プラットフォーム。

Power BI : Microsoftが提供するデータ分析ソフトウェア。企業が蓄積したデータを分析し、得られた知見を生産活動に生かすためのもの。

 

 <Forgeの特徴・ロードマップ>

・HTMLやJavascriptなど業界標準を利用したAPIであり、Node.jsやReact、AngularなどのオープンソースフレームワークMicrosoft.NETなどを利用して構築することができます。そうすることで、他社との連携が容易となり、例えばMicrosoft社のPower BIをForge Viewerに取りこむことで、BIM360のデータ等を用いて高度な分析をすることなどが可能になります。

・ 現在ヨーロッパと北米にしかないデータセンターを他地域に拡充することで、データの地域化と演算能力を加速し、パフォーマンスの向上を行います。

 

<Forge Data>

Forge Dataとは、データファイルかデータベースか形式を問わない普遍的なデータアクセスをサポートするプラットフォーム。

第6弾 コラボレーションツール BIM 360 活用オンラインセミナーの要点

<今後のAutodeskの方向性>

・データファイルからデータベースへ。

 

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データファイル:rvt. dwg. docxなどのファイル

データベース:指摘事項やプロジェクト情報などの直接入力されたデータ

 

従来の図面への直接赤入れのようにデータベースとデータファイルが混在したような状態から、データベースとデータファイルを明確に分離し、整理されたデータにすることで、プロジェクトの状況が分かりやすくなります。

 

今後は、データベースに力を入れて、アップデートを行うとのことです。また、Revit, AutoCadも直接クラウドのデータベースにアクセスして作成するようになります。

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<DX推進>

上記のデータベース化と関連して、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を行います。メールのような自由テキストのデータ形式では、機械判読ができないため、共通データ環境を取り入れ、統計などの発展が可能な状態にします。BIM360では、指摘事項やRFI(情報提供依頼書)はフォーマットがあり、統計情報などコンピュータの利用範囲が拡大できます。 

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<Autodesk製品のBIM360との連携の拡充>

・RevitとBIM360の連携

Issues Addon for Revit 2020/2021により、IssueがRevit内で表示されます。

 

・RevitとNavisowrksの連携

BIM 360 Issuesにより、BIM360のIssuesを表示し、編集ができます。

 

AutoCadとBIM360の連携

AutoCadのシートを直接BIM360にアップロード可能。

AutoCad web Appが日本語対応で使用可能。BIM360内のDWGデータをブラウザで開ける。一から図面を作成するのは不可だが、簡単な作業は可能。

BIM成熟度レベル

2011年5月に英国政府は、2016年までに全ての公共物件はBIMレベル2での作業を行うことを義務付けて、コストを最大20%削減することを目的とした建設戦略を発表しました。

その際に、BIMの成熟度を測る尺度として、「BIS BIM Strategy Report」の中でBIM成熟度モデルを発表しています。

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https://www.cdbb.cam.ac.uk/system/files/documents/BISBIMstrategyReport.pdf

各レベルは以下のように定義されています(意訳もございますのでご了承ください)。

LEVEL 0 : 紙面のフォーマットでやり取りされる2D CAD図面。

LEVEL 1 : コラボレーションのために用いる2D or 3Dの図面を使用する。部分的に3Dモデルも使用する。

LEVEL 2 : 各専門分野のBIMモデルが管理され、互いに共有・参照すること

LEVEL 3 : IFC/IFDに準拠したWEBサービスにより、各専門分野が1つの統合モデルにアクセスして設計を進めます。

 

あくまでBIM成熟度レベルはUKの政府の基準ですが、公的なBIMの成熟度の指標がない国が多く、使いやすい指標として他の国のプロジェクトでも参照されることがあります。ちなみに、LODが細かく明文化されたBIM Forumの”Level of Development Specification”も国内にLODの細かい指標がないため、参照元として非常に重宝しています。

 

このような政府の号令もあり、NBS(RIBA王立英国建築家協会の外郭団体)の行った調査によると、英国ではBIMを採用している人の割合は、2011年には13%であったものの、2017年には62%にまで上昇しています。一方でBIMを採用していないかその必要性を感じていない人の割合は、2011年には43%であったものの2017年には3%まで減少しています。これらから、BIM化への移行が順調に進み、この6年間で設計手法が大きく変化していることが分かります。

 

参照

英国「BIMレベル3」が示す成長の条件(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)

BIM Levels explained | NBS

英国のBIM普及状況について|公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部

BIM360でのコミュニケーション ~概要~ (2021)

BIMでは1つのモデルを複数のオペレーターで作業するため、コミュニケーションが欠かせない。ここではどのようなツールでコミュケーションをとるかの説明を行いたい。

 

Revit2018までは、Communicatorという機能がRevitにあり、誰が現在セントラルモデルを開いているか、セントラルモデルに同期したかのタイムライン、個別とグループでのチャットが可能であった(下図参照)。

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AutodeskはCommunicatorとRevit Cloud Worksharingの機能はBIM360に移行するとしているが、現状デフォルトではCommunicatorのようなチャット形式でのコミュニケーション手段はない。

 

その代わりBIM360でのコミュケーションの主流になっているのが、マークアップと指摘事項である。

 

マークアップとは、図面に直接手書きをしたり、矢印・寸法を入れたりしてグラフィカルに説明・指摘をするものである(下図参照)。

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マークアップは、従来の図面を印刷して赤入れを入れるような感覚で行うことができ柔軟性のある有用なツールであるが、一方で通知の機能がなくこまめにBIM360を確認しないと気付かないという欠点もある。日常的なコミュケーションで利用する。

 

指摘事項とは、テキスト形式で指摘事項を「いつまでに」「誰が」「何をする」といった要素も含めてUPするものである。指摘事項は記録され、リスト化され、フィルタをかけることができる(下図参照)。

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指摘事項は対象者に通知をすることができ、記録もされるため、重要な要件や緊急な要件で利用することが多い。

 

実務の中で、これらのコミュケーションの機能を使用する際に、どのように使用するかをツールの特徴を理解して、詳細に決めていく。

 

マークアップでは、

①どのモデルに記入するか

②誰が記入するか

③どういう場合に記入するか

④対象者をどのように指定するか

⑤質問への回答や指摘の修正が完了した場合どう返答するか

などを決め、ルール化する。

 

指摘事項では、

①どのモデルに記入するか

②誰が記入するか

③どういう場合に記入するか

④タイトルの命名規則(フィルタでソートできるため重要)

⑤質問への回答や指摘の修正が完了した場合どう返答するか

などを決め、ルール化する。

 

これらのツールを上手く活用することでなるべくメールやチャットなしで、BIM360内でコミュニケーションが完結するようにするのが理想的である。

 

また、Revitの有料のPlug-inを利用すればRevitでもCommunicatorのようなチャットができる(下記参照)

R-Communicator for BIM 360 Docs – Powerful & Flexible Team Collaboration inside Autodesk® Revit®.

BIM Track | The communication platform for better BIM coordination